●marantzのCDプレイヤー。
マランツというと、どうしてもアンプというイメージが強い。よって、CDプレーヤーの評価は今一つという感がある。しかし、マランツとCDの関係は意外に深い。それは、1980年にフィリップス傘下に入ることに関係がある。ご存知のことと思うが、CDは、フィリップスとSONYによる開発。よって、フィリップスはCDにおける技術については、他社にアドバンテージがあった。当然、1982年にフィリップスからCDプレーヤが発売される。しかし、フィリップスからの第一号CDプレーヤーは高価であったため、マランツブランドから、CD62という若干値段を下げたCDプレーヤが発売される。当時としては珍しい、スイングアーム式ピックアップを搭載し、人気を博す。その後もフィリップスのCDメカ、デコーダー、D/Aコンバーターなど先進的なキーデバイスを使い、マランツのCDプレーヤーは常に高い評価を得ていく。
●不当な評価のマランツ。
フィリップスの技術を得ながらも、フィリップスの戦略により、高級プレーヤではなく、エントリー機種での開発、販売が続く。フラッグシップを持たないマランツブランドではイメージが先行し、どうしても正当な評価を得られなかったのも事実。コストパフォーマンスから言うと非常に高いものではあったが、他の日本のCDプレーヤと比較してもまっさきに候補から外れる現象が続く。
それでも、地道に開発を続けたマランツは、アンプ、PM-80とセットとなる、CD-80を発売。そのコストパフォーマンスのよさから、ようやく認められるようになる。
●そしてスーパーオーディオへ
かつて、MDとDCCの争いがあった。CDの開発では共同関係にあったSONYとフィリップスだが、カセットテープに変わるデジタル録音では、SONYのMDとフィリップスのDCCが争うようになる。DCCはカセットテープとの互換性を謳ったものの、SONYのMDに敗れ、フィリップスは新たなデジタルフォーマットを開発するようになる。それが、SACDである。そして、SACDプレーヤー第一号機が、マランツから発売される(SA-1)。その少し以前より、マランツは独自でフラッグシップ機を出すようになり、フィリップスからの独立を果たすようになる。
マランツはこのような経緯から、SACDへの導入は早く、そして積極的である。ハイエンドからローエンドまでSACDプレーヤーを発売しているのは、マランツ以外になく、スーパーオーディオを広めるブランドとして、大きな貢献をしている。
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