●DENONのプリメインアンプ。
かつて、日本のプリメインアンプはサンスイかオンキョーがほぼその地位を占めていました。しかし、サンスイがオーディオから撤退し、オンキョーもまたピュアオーディオからほとんど新製品を出していない今、2chピュアオーディオのプリメインアンプのラインアップをそろえているのはDENONとマランツだけとなりました。DENONのプリメインアンプはというと、あまりにも出力される情報量が多く、ちょっとじゃじゃ馬な感じがあります。だからこそ、スピーカーとの相性が重要になってきますが、少々鳴りの悪いスピーカであっても、その勢いから鳴らしきってくれる面もあります。DENONのプリメインアンプを使って、音を使いこなすことができれば、じゃじゃ馬を乗りこなしたと言えるでしょう。
●398の覇者 PMA-390。
オーディオの低価格化が進んだ90年代。ピュアオーディオも例外ではありませんでした。プリメインアンプでも当時税抜き38,800円の製品が数多く出されましたが、安かろう、悪かろうの製品で、これからピュアオーディオに挑戦してみようという人々からも敬遠されてきました。しかし、DENONから出されたPMA-390は、当時の値段からは想像できない音質を出し、評論家からも、そして中堅のオーディオファンからも驚愕の声が聞かれました。他メーカーからも追随した製品が出されましたが、PMA-390の牙城は崩すことができず、現在でも4代目、PMA-390Wが39,800円(税抜き)クラスではトップの売れ行きを誇っています。それは、高級ピュアオーディオからの技術が連綿と受け継がれた結果であり、真面目に音作りに取り組んできた結果とも言えます。
●ピュアオーディオの真価を問う
SAシリーズ
DENONは、低価格オーディオだけではなく、高級オーディオにも力を入れてきました。しかし、ビジュアル化が進んだAV業界にあって、高級ピュアオーディオの製品を出すのはメーカーとして決断のいることです。ましてマルチチャンネル化が進んだ現在のオーディオ。もはやピュアオーディオだけではマーケットにならないのも事実です。そんな中、Sシリーズの技術をさらにブラッシュアップしたSAシリーズを発売。プリメインアンプからはPMA-SA11(378,000円)を発売。AVアンプ全盛あって、あえて2chピュアーディオの真価を問う製品となりました。その技術はやがて、エントリーモデルにまで反映されることでしょう。
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