●映画化される予定ではなかった豚
魔女の宅急便以後、疲れ果てたスタッフの息抜きのために、30分の短編のはずだった。それが日航の機内上映用の中篇となり、結局90分の大作となった。スタッフの息抜きのはずが、さらにストレスをためるはめになろうとは。完成時も、映画館上映より前に、日航国際線の機内で上映。飛行機は飛ぶが、打ち落とされるシーンも。飛行機に乗っているのに落ちるとは見ている人の心境は?と思ってしまうが、楽しさを追求したこの映画ではそういう心配は無用だったようだ。
疲れ果てた中年男性にとって、この「豚」は憧れでもある。おもしろい男性がもてはやされる現在、このような無口で照れ屋でダンディな中年がいてもいいのではないか。私が最もお気に入りの映画でもある。
●音楽について
海賊のテーマとも言える曲はとても快活。どことなく男が働く!というイメージにさせられる。全編に流れる曲は、どこかノスタルジックでヨーロッパ調。舞台がヨーロッパだからあたりまえか。どこか「魔女の宅急便」のノスタルジック版という感じがするのはわたしだけだろうか。
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紅の豚
イメージアルバム
どこか甘美で、ノスタルジックな曲がちりばめられている。本編ではオーケストラだったところが、サックスやピアノの編曲になっているところが、サウンドトラックとは違うところ。渋いなぁと思わせくれる逸品。 |
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紅の豚 サウンドトラック 1920年代ヨーロッパが舞台とあって、完全アコースティック。単なるBGMではなく、一曲一曲すべてが曲そのものが主張するような曲作りになっている感じがする。映画を観ていてもついつい音楽を聴いてしまう。
加藤登紀子の「さくらんぼの実る頃」も収録。
ワインを飲みつつ聴いてみては。
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