●宮崎 駿の不朽の名作
角川書店がアニメ映画に進出し、その対抗として徳間書店が選んだ監督が、宮崎駿だった。しかし、フリーとして活動していた宮崎を監督として選ぶのは、徳間書店のある種の賭けであったかもしれない。そのため、雑誌アニメージュに、原作となる漫画を連載。その漫画をベースにさせるという保険をかけた。
原作は壮大なものとなり、いつ終わるのかわからないほど。紆余曲折を経て完成されたのが、「風の谷のナウシカ」だった。
テーマも、アニメとしては「戦争」「環境破壊」と思いテーマになる。一部宗教がかった話とも言われるが、原作の流れとしても、そうならざる得なかったのかもしれない。
フリーの宮崎の元、当時のトップアニメータが集結して製作した今後も名作として伝えられる映画となった。
●音楽について
この作品より、宮崎&久石のコンビが生まれる。時代、そして風の谷が舞台というためか、音楽は民俗音楽的になる。久石自身、自分の音楽のベースは民俗音楽にあると言っているため、「風の谷のナウシカ」の音楽は、久石譲の音楽を知る上で重要なものと言えるのではないだろうか。
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風の谷のナウシカ
イメージアルバム 鳥の人・・・
久石譲が、原作を読んでイメージして作られたアルバム。BGMを前提とはしていないので、一曲一曲が、完成されたものとなっており、さらりと聴くには勿体無い。特に、最後の「鳥の人(~ナウシカのテーマ~)」のピアノソロは逸品。 |
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風の谷のナウシカ
サウンドトラック はるかな地へ・・・
イメージアルバムを元に、映画サウンドトラックとして書き直された音楽は、イメージアルバムよりは、民族的音楽が排除されている。それは、映画のBGMとするのはしかたのないことかもしれない。シンセを多用したのは、腐海のイメージをより鮮明にするためとも思える。映画音楽として強いイメージを感じさせてくれる。
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風の谷のナウシカ
シンフォニー 風の伝説
「風の谷のナウシカ」がヒットしたことを受けて作られたであろう、このアルバム。サウンドトラックの単なる焼き直しになりかねないが、ベースの音楽性もあり、イメージアルバムやサウンドトラックとは違った秀作に仕上がっている。
風をイメージした「メーヴェ」、重厚な「巨神兵~トルメキア軍~クシャナ殿下」、そして、テーマ音楽となる「谷への道」。うまくオーケストラへのアレンジをなしえている。イメージアルバム、サウンドトラック、そしてシンフォニーの3枚とも聴いて欲しい。
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